トップ > プロジェクトトップ > 医療事業

2.医療事業  


現地医療の現状

マットグロッソドスール州(以下MS州に省略)は、ほぼ日本と同面積の土地にわずか200万人が住む低人口密度かつ貧困地域であり、本格的な医療設備は州人口の3分の1以上が集中する州都カンポグランジにしか整備されていません。

そのため、地方において緊急治療を要する患者がでたとしても、何百km(市町村によっては400km以上)も離れた州都まで患者を輸送していかなければなりません。ところが、輸送手段の不足から患者が病院へ辿りつく前に亡くなってしまうという不幸な事件が幾度となく起こっています。そもそも貧しい市町村には、救急車がないというケースも多く存在するためです。
州政府は、地域の医療体制の拡充を政府方針に掲げてはいるものの、財政難でもあり、なかなか進んでいないのが現状です。


私たちの医療事業

MS州ジャルジン地域における統合医療病院を設立を最終目標として、段階的に以下のような事業を進めています。
1996年8月13日 MS州の約30市町村に29台の救急車を寄贈
1997年9月 世界平和医学アカデミーが主催する国際医療奉仕団(日米韓の医師30名)をMS州ジャルジン地域に招き、3000名への医療奉仕を実施
2003年5月15日 同州ギアロペス市に中央医療検診所を開所

MS州の市町村へ寄贈した29台の救急車を背景に立つ
文鮮明世界平和統一家庭連合創設者御夫妻
(96年8月13日、ジャルジンプロジェクト本部)


ギアロペス中央医療検診所


ギアロペス中央医療検診所(2003年5月開所)

ギアロペス中央医療検診所の設立プロジェクトは、私たちの医療事業をギアロペス市(ホベルト・サラヴィ市長)が建設用地提供をもって積極的に招請するなかで進められました。
2003年5月、着工から1年余の歳月を経て開所した同検診所は、MS州では州都にしかない先進医療検査機器(一般超音波検査、カラードップラー超音波、乳腺検査、脳波、心電図)を備えており、隣接する州立病院(検診所と同日に開設)を設備面でサポートしています。

同検診所は必要経費以外を被診察者から受け取らない公益法人(ブラジルのNPO)としての料金システムを取っており、近隣7市町村からの人的金銭的補助を受けて運営がなされています。(2005年2月現在、運営経費の半分は近隣7市町村が、もう半分は日本からの援助による運営基金が負担)

同検診所の特長としては、鍼灸治療や東洋式マッサージに加え、インディオに古くから伝わる薬草治療を取り入れていることが挙げられます。(薬草治療を担当するインディオ医師のキニキニナウ氏は、米国ハーバード大学の招へいで薬草医療に関する講師を務めたこともある薬草医療の権威)


開所式当日、「最新設備の整った検診所が建設され、地域医療が向上することに感謝いたします」と謝意を表すジョアン・パウロ州厚生長官

MS州に位置するパンタナールは、アマゾンと並んで世界一の薬草の宝庫であるとともに、その原自然を通じて最高の「気」に恵まれるなど、自然医学の観点からは「健康を取り戻すための条件が整っている」地域であると私たちは見ています。

開所以来、文鮮明創設者御夫妻が掲げる「真の愛による東西医学一体化の世界最高の理想病院実現」を目指して、医療分野での奉仕を進めてきた同検診所は、地域市町村から大変高い評価を得ており、地域の人々からは「これまでのように4-6時間移動せずとも、良い検査を受けられるようになった」、「長年治らなかった持病の原因が究明され、完治した!」といった心からの感謝の声が数多く寄せられています。


追加情報

2004年2月 世界平和統一家庭連合より6万ドルの追加支援を受けて、1)内視鏡、2)エルゴメーター、24時間ホルター、MAPA等の心臓検査機、3)婦人科検査機、4)肺機能検査機の4種類の検査機を導入(CT, MRIを除いた全ての検査が可能になりました)

同検診所に対して、地域の人々からは2004年度利用者数は約2000名を数えました。2005年度は、20%アップの2400人の利用を目標にしています。

また、2004年度は、同検診所が主催する医療奉仕団活動を開始しました。昨年度はニオアーキー、ボニート、カラコウ、べラビスタ、ポルトムーチーニョ市を訪問し、120名以上の人々がその恩恵に浴しました。


中央医療検診所が導入している検査機器

超音波検査機
超音波検査機
脳波計
脳波計
内視鏡
内視鏡
心臓検査機器
心臓検査機器
婦人科検査機
婦人科検査機
肺機能検査機
肺機能検査機

戻る